みーゆちゃんオススメの本であり、表紙がかすかに近藤良平さんの
「死神の精度」をみーゆちゃんに貸してもらいました。
最近読んだ本が「ライ麦」、「赤頭巾ちゃん気をつけて」と
連続して私をいーっとさせましたが
今回の本は気持ちよく読めました。
死神の精度、というように、主人公が死神の話。
少し気取った文体は、
自分なりの哲学に対して従順に生きているがゆえ
人間の感覚と少しズレが生じる主人公の死神の語り口として、
いい方向に働いていたと思います。
そのかっこつけた感じが人間との距離、ズレとして
機能しているように思いました。
(これは死神のスタイルではなく、伊坂氏のスタイルらしいですが)
6つの短編からなる話でしたが
主人公の死神、千葉の仕事相手、つまり死ぬであろう人間は、
20代若者から老女までいろいろいました。
(偶然か意図的か子供はいませんでしたが)
たかだか50ページ弱で仕事相手の人生を
浮き彫りにするのは大したものだと思います。
嫌らしい見方をすればキャラ立てしすぎなのかもしれませんが。
物語内での伏線の張り方は
先を読むのが下手な私でも、
これは伏線だなーとわかるものが多かったと言う点で、
可もなく不可もなくでしたが、
物語を越えての伏線は上手いと思いました。
ここであの話のあれが生きるとは!という感じでしょうか?
小林賢太郎に対して持った「完敗感」に近いものがありました。
6編のなかで一番のお気に入りは、「恋愛で死神」。
ストーリーも陳腐すれすれ王道話だけど
それでも惹きこまれるものがありました。
他の伊坂幸太郎作品も読んでみることにします。