先日やっとのことで「LENS」を見ました。
「LENS」はラーメンズの小林賢太郎プロデュース作品の第4弾。
椎名林檎女史の短編キネマ「百色眼鏡」を下敷きとした作品です。
主演は「百色眼鏡」に続き小林賢太郎。
まわりはいつものKKP作品でおなじみの
久ヶ沢徹、西田征史、犬飼若浩に加え
百色眼鏡で共演した大森南朋と、男ばかり計5人の舞台。
(ちなみにKKP常連の室岡悟は名前だけ、
片桐仁は舞台終了後のナレーションで出てきました)
舞台は大正〜昭和初期の東京。
書生である天城茎太郎(小林賢太郎)が
英国帰りの刑事の駒形蓮司(大森南朋)と知り合い
ある図書館の蔵書失踪事件と幽霊騒ぎの謎を解くという話。
(百色眼鏡の話はこの話の直後のことだと思われます)
感想としましては。
LENSは前3作品(「good day house」「sweet7」「paper runner」)と比べ
笑いの少ない作品になるかなー?と予想していましたが
実際はいつも通り長ーいコントでした。
ミステリーな雰囲気を醸し出しつつ
謎を解くのに必要な手がかりは観客には与えられず
あくまで謎解きを一緒に楽しむというよりは
天城茎太郎の推理を聞くことで無自覚の才覚に対して
まわりの登場人物と一緒に驚く、という感じです。
誤解を恐れずに言うならば、ミステリーの皮をかぶった娯楽と言う点では
ジャンプ界で異彩を放つ脳噛ネウロと似ている気もします(^^;
ストーリーとしてはなんというかいまいち盛り上がりに欠ける感じ。
というのも、終盤の謎解きのシーンがあっさりしているから。
天城が真犯人を指摘したときにあっっさりと認めるんですよね。
大したどんでん返しもなく事件の真相がわかってしまって
こっちとしては肩透かしを食らった気分ですよ。
ま、この肩透かしは劇中で愛宕屋俊菊(西田征史)が
「あるべき盛り上がりがない!」とつっこんでいることからも
確信犯的なものではあると思いますが。
コントとしてはまあまあおもしろいので
たいしてストーリー的には盛り上がらないことはわかりつつも
もう3回ほどは見てしまってます。
犬飼梅衛門(犬飼若浩)の存在の薄さは残念なんですけど
春日桜太(久ヶ沢徹)の大ボケ、
愛宕屋俊菊の切れのあるツッコミ、
駒形刑事の基本ツッコミ意外とボケなところや
何といっても天城の存在自体(ひいき目あり)がよいです。
あと愛宕屋の設定は「paper runner」を見た人なら
思わず笑ってしまうはずです。
ベストシーンは「潤むな!」とつっこまれる駒形刑事と
舶来品の靴をはいて「どうだ?」という天城。
双方かわいすぎますから。
残念なのは大森さんの声が若干他の人より小さいことでしょうか。
夜中に見てて大森さんの声が聞こえないので音量を大きくすると
他の人の声が大きくなりすぎてしまうのです(^^;
他の4人は舞台が基本なのにくらべ、
大森さんは映画が基本のようですので、
発声でどうしても劣ってしまうのかもしれません。
あと、巻末には特典映像もついていて
練習風景や本番中の映像が入っていました。
「CLASSIC」の「バニーボーイ」を見たときも思いましたが
こうやってDVDに収められたものとは別のものを見せられると
同じ公演を2回以上見たくなりますね♪